医療モール開業に勝算はあるのか?
メリット・デメリットを徹底解説!
医療モール開業に勝算はあるのか?メリット・デメリットを徹底解説!

07 医療モールにはシナジー効果はあるか?

私は全科が揃うワンストップ完結の医療モールに入居したので、他科からの患者も流れてくるに違いない…
そう考える先生は、患者を甘く見ています。
患者はバカではありません。まして、インターネットで素人でも医療情報を簡単に知ることができる時代です。
患者は風邪薬や腹痛などであれば、どこに行っても同じと考えるかもしれませんが、患者は受診を一か所で済ませることができるという理由では来院しません。
あくまで、優秀な医師、自分のことに親身になってくれる医師に集まるのです。
「医療モール冬の時代」(週刊ダイヤモンド)

https://diamond.jp/articles/-/8117

を再掲致しますが、
『都心部では医療モールが乱立気味となり、かつてのような目新しさと集客効果がなくなりつつある。ほかに患者を紹介せずに、患者を囲い込むことも多い。ある医療コンサルタントは「たとえば、花粉症ならば、耳鼻科や眼科には行かずに、行きつけの内科ですませてしまう患者が大半である。医療モール内で複数の診療を受診する患者は10%もいたら多いほうだ」と指摘しています。
少なくとも単なる医療モールという形態だけで、医師や患者が集まる時代は終わったことは確かだろう。』と。

意外に少ない患者数

大病院で1日に何百人もの患者を診察されて来た先生がたは、いつもこう呟いていたことでしょう。
「何でこんなチンケな病気でやって来るんだッ!患者が来ない日が来ないかな?救急車よ、右折してB病院へ行きやがれッ!」と。
でもご安心ください。先生が開業すれば、「その夢」はまもなく実現します。

『医院開業バンク』さまのホームページ
https://www.iinkaigyobank.com/columns/detail/673
によれば一般的な内科診療所の1日の外来患者数の全国平均は40人/日。年間診療報酬は6,400万円。
このSクリニック様が如何にお化けクリニックかお分かりになるでしょうか?
このような医師であれば、山奥でも患者が集うことでしょう。
このSクリニック様がロケットスタートをなしえた理由は

  1. 医療技術が優秀であること
  2. 開業地で有名な病院で名医として名を売っていたこと
  3. この医師がとても患者思いの優しいかたであること

などの相乗効果があってのことです。
先生がたに措かれましては、どの条件を満たされているでしょうか?
上記のどのひとつもないようであれば、医療モールに入るより、ご自身が勤務された近隣で必要最低限の設備で細々と開業されるのが一番です。
地縁・血縁・看板のない遠くの医療モールに入居しても、ただの無名医師に埋没するだけでしょう。

結論:地縁・血縁・看板のない遠くの医療モールでの落下傘開業には地面への激突死が待っている

先生は、これをお読みになっても、医療モールに入居をなさいますか?
まだ、医療モール内そして医療モールとのトラブルは自分には関係
ないとお考えでしょうか?

患者が求める医師とは、医療技術は当たり前、その前提のもと、自分のことを真剣に案じ、労わってくれる心優しい医師なのです。
医療技術に自信のない医師、患者を思いやれない医師はそもそも、開業しても必ず失敗します。
そのような医師は、負債を負うことのない勤務医を貫くべきです。
開業すれば誰でも儲かった時代は、40年も前に消滅しています。
まして、医療モールに入居し、他院と一つになれば、何とかなるだろうという考えはお捨てください。

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